2009年12月05日

11/29の内藤×亀田戦

以前、内藤×亀田(大毅)やその後の亀田家に関する記事を書いたので、一応触れておこう。
実は、某所の日記にも書いたのだが、改めて整理してここにもアップしておく。


残念ながら試合結果は予想通りだった。
残念というのは、内藤を特別贔屓にしていたからではないのだが、やはりいい歳こいたおっさんである僕からすれば、一度くらいは兄の興毅も退けて欲しかった。
また、その方がドラマチックではないか。(そうでもない?(笑))

まーしかし…。内藤も歳だ。。

弟の大毅に勝ったときなら、興毅とやっていても、その時点でなら内藤勝利だったと思うけど、あれからずいぶん時が経っている。
興毅も成長しているし、内藤戦には万全の対策を立ててきているはず。
僕的には、内藤は年齢的に大毅のあと2回くらい防衛できれば上出来だと思っていたから、結果5度(?)の防衛は、すでに充分すぎるくらい立派だ。

興毅との試合が決まった頃、一時よく行っていたお好み焼き屋(と言うより飲み屋?)で、
「どっちが勝つと思う?」
と、客やマスターに聞かれて、
「う〜ん。亀田じゃない?」
と答えた。
場に居た人たちは皆一様に、まだ内藤の方が強いだろうと言っていたのだけど、僕は内藤の年齢やスタミナを考えて、そろそろやばいと思っていた。
それと、
確か、前回の防衛戦、パッとしない判定勝利で、内藤自身も試合終了時に、
「しょっぱい試合をしてしまってすみません」
とリング上から謝っていたが、たまたまその試合を途中から見ていて、もうそろそろチャンピオンベルトの維持はアブナイかもなぁ…と思っていた。
気持ちはおっさん側の内藤に勝って欲しいのだが、客観的に見ると難しそうだった。

…で、11月29日の試合。

内藤は序盤から飛ばしていたけど、少し固く、焦っているようにも見えた。
好意的に見れば、観客へのサービス精神から(前述の防衛戦とも関連して)、どちらかがKOになるような完全決着を見せたかったのかも知れない。
興毅は、昔のようにあまり足の動かないクラウチングスタイルではなく、よく動いていたし、冷静で、ノーモーションからのパンチや、的確なカウンターを当てていて、なかなか貫録のある試合運びだった。
内藤の方がまるでチャレンジャーのように見えた。
「勝っても負けても引退試合のつもりなのか?」
とさえ思った。
そして、序盤からあれだけ飛ばしていて、大振りパンチを幾つも空振りし、いいパンチももらいながら、最終まで持ち堪えたスタミナは、当初の僕の心配を余所に大したものだった。
冷静にアウトボクシングしていたらベルトを維持できたかも知れないのに、一生懸命、前に出続けた姿は評価したい。
まぁ、少なくとも「しょっぱいボクシング」にはならなかった。

一方、亀田は、負けられない気持ちでいっぱいだったと思うが、チャレンジャーが慎重であるのは不利になるはず。
王者としては、そういうところに付け入ることもできたのに、亀田家との因縁からも、真っ向殴り合うことが内藤なりの男の見せ方だったのかも知れない。
…これまた好意的に解釈すれば、だが。。(^_^;)

それに対して興毅は、勝ちに徹して自分のボクシングを通したので、仮に内藤がそういう気持ちだったとして、通じていたかどうかは「?」だ。

それでも興毅は、2〜3年前に比べてずいぶん成長した。
ただ今回、貫録を感じさせつつも、内藤に応じなかった点では、ある意味興毅の方がしょっぱいボクシングだったと言うことも出来そうだ。
だって元々は確か、インファイトやKOがボクシングの醍醐味だというようなことを、家族ぐるみで語っていたわけだし(?)。。
今後はコンパクトに纏まってしまわずに、もう一皮剥けて欲しいところ。。

にほんブログ村 格闘技ブログ 中国武術へ にほんブログ村 格闘技ブログ 武術・武道へ
posted by hide at 06:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 格闘技 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月03日

中国武術のコミュ

ブログの更新を4ヶ月サボっていた間、実は某所で太極拳のコミュを立ち上げたりもしていた。
一応説明しておくと、コミュとはコミュニティの略で、一定のテーマに添った会員制の掲示板のことだ。

以前、これまた別の某所の某コミュで、ちょっと意見を書いたことがあるのだが、そのとき、アクティブなメンバーの1人に噛みつかれて、鬱陶しくなってやめてしまったことがある。
確か、型に関することだったと思う。
書いたことの詳細は憶えていないが、たぶん、型は必ずしも全部をやる必要は無いとか、単練(分解した一つ一つの技を練習する)でも良いというようなことや、型は言語のようなもの…というようなことを書いたと思う。
(そのコミュを見に行けばログが残っていると思うが、見に行って探すのが面倒臭い(^^;ゞ(笑))
型に関することは、いずれこのブログでも取り上げるつもりなので、また改めて書くけれども、とにかくその時、僕に噛みついてきた人の意見は、
「太極拳の型は、一連の動作を行って気の運用をすることに意味があるのだ」
というようなことだったと思う。
まー意見は意見。人それぞれ。それはそれでいい。
ただ、意見交換の仕方として、高飛車で一方的な決めつけで話す物言いに呆れてしまい、そのことを注意するレスを返して、あとは無視し、間もなくそのコミュを退会した。

また、その少し前から2ちゃんねるの過去ログを漁ったりしていて、ネット上の中国武術系掲示板の雰囲気は大体判っていたし、型偏重で知識・理論武装した人の考えも大体掴んでいた。
だが、さすがに2ちゃんねるの雰囲気にはついていけない。
会員制のコミュならもう少しいいやりとりができるかと思っていたのだが、大して変わらなかった…。

要は。
ネット上で思うことを書くにしても、浅いところからせいぜい中級程度のところまでについてしか書けない。
もし議論をふっかけられて、それに反論しようと思ったら、自分の学んだものを晒さなければならなくなる。
何で礼儀もわきまえない相手に、何の得にもならないのに、タダで教えてやらなければならないのだろう…?
そして、そういった輩は、素人を煙に巻くような理屈をペラペラと説いて、初心者から有り難がられているが(本人にはそういう思いは無く、物識りなつもりなのだろうけど)、実質、何の説明にもなっていないことが多い。
そんなこともあって、人との議論を避けて、このブログを始めた。
はじめに』で書いたことは、まー言ってしまえば、上記のようなことへの予防線というわけだ。

…しかし。
今までこのブログを通じてレスやメールをもらったりする内、人とのコミュニケーションも恋しくなり始めた。
元々、人との交流が嫌いなわけではない。
最初は、新しく入った某所の中国武術系のコミュに入ったが、面倒臭い“教えてやろう君”はどこにでもいるものだなぁ…と思った。
まぁ、物をあまり考えていなさそうな“教えて君”も数多く居るので、それで成り立っているのかも知れないけど。。
…で。
自分がホストの立場なら、そう荒れることも無いかも知れないと、自分でコミュを立ち上げてみることにした。

…ただ、残念ながら、今は発言も止まって、停滞している。

中国武術の世界は、元より型偏重の世界だ。
そこで型について否定的な意見を言うのは反感を買いやすい。
もちろん僕の意見は、否定ではない。
しかし否定と取られやすいことを言っているのだろう。。
例えば、
「これといった型が無い武術もあるし、そういった武術は型がある武術より劣るのかと言えば、そうも言えない。きちんとした攻防の理屈や技術があり、原理的なことが判るなら、型は必ずしも必要ない」
というような意見を書いた。
これが、型に対する否定になるだろうか?…と思うのだが、中国武術を愛する人たちには、否定と取られることが多いようだ。
それと。
僕がまだ言及していないことまで、勝手に先走って捉えて、それに対する反論までしてくるから、
「そんなこと言ってないじゃない」
という繰り返しになる。
だが実は、そういう人の言いそうなことや物の捉え方は手に取るように判る。
僕自身、中国武術に関わってきた年月は30年以上で、その人たちの考えは、僕も通ってきた道だからだ。
その僕が、何故そういう意見なのか、ということを、何故考えないのだろう…?
もしそれを考えれば、まだ何かありそうだとか、理解できてない部分を埋める何かをこれから説明して欲しいとか、もう少し聞いてから判断しても良さそうなものだ。
そして、結局は、お互いに深い知識があったとしても、奥の奥まで伝え合うことはできないのだから、少しでもニュアンスを感じ取って、
「参考にさせてもらいます」
という姿勢でいれば、お互い身になる部分もあるのではないだろうか。
そこをステレオタイプな常識、価値観、解釈で捉えて反発するから、それにそぐう意見しか理解できないし、受け容れられない。
僕が今まで書いてきた“力”の必要性の話だってそうだ。

…で。
何で反応が判りきっているのに、反感を買うようなことを言うのか、と思うだろう。
それは、やはり、通じる相手を探しているからなのだ。
人の話をきちんと聞く姿勢を持っている人、というだけで、これほど探すのが困難なものか?…と思ってしまうけれど。。

ちょっと愚痴っぽい話に終始してしまったが、僕がやっているコミュに興味を持ってもらえる人は、まだしばらくは続けてみるつもりなので、よかったら某所を探して、入会申請して下さい。
すでに某所の会員かも知れないあなたは、そこでコミュを探せば見つかるかも?
但し、ひやかしや、不毛な議論をふっかけに来るような人はお断り。
また、コミュのルールを読まずに入会申請してくる人は、単純に却下しています。
(流行らせることが目的では無いため、人数が少ないにも関わらず、ここ1〜2ヶ月で5〜6人を断っています。<入会申請の時点で、ルールを読んだかどうかが明かなので)

某所の所在がどうしても判らないという人は、メールでお尋ね下さい。

にほんブログ村 格闘技ブログ 中国武術へ にほんブログ村 格闘技ブログ 武術・武道へ
posted by hide at 07:37| Comment(2) | TrackBack(0) | 徒然エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年12月01日

喧嘩の戦法について補足

ずいぶん経っていて何だけど、前記事『20代前半の喧嘩』(Part1Part2)について、少し補足しておこう。

Part2をアップして間もなく、叔父弟子のTさんから以下のようなご指摘を受けた。
「hideくん、判ってるとは思うけど、ブログの中で書いていた、相手に触れに行くっちゅうキミの戦法な、あれ暴行になるで?」
改めて引用して説明すると、

> Kは当然、喧嘩腰で言い返してきたので、
> 「やるならやったるわ! かかって来いアホウ!」
> と、胸の当たりをドンと押した。

−−−の部分だ。
これ以外にも過去記事で、若い頃の僕の戦法として、何度か書いた。
Tさんがおっしゃるのは、つまり、相手の肩や胸を押したり、あるいは襟首を掴んでも、それは手を出したことになり、暴行罪になる、ということだ。

ただ、喧嘩を売られたときは、対応が難しい。。
喧嘩を売ってくる相手は、すぐには手を出さずに、顔を近づけて威嚇してくることが多い。
まぁ…様子見の意味もあれば、度胸試しの意味もあるだろう。
子供の頃の喧嘩上手なヤツらなら、近いとぶん殴りにくいから、そうやって手足を封じてパチキ(頭突き)を喰らわす戦法だった。
もちろんパチキ勝負になってかち合えば、そこからは乱闘になるわけだ。
しかし大人になると、
同じように近づいても、まず手は出さず、言葉や態度で威嚇して、相手に手を出させようという意図になってくる。
そこで、僕のように間近な相手を警戒して押し返したとしたら、例えそれが肩に手をかけた程度でも、
「お、手ぇ出しやがったな!」
と、なる。
とにかく相手に先に触れたら暴行になる可能性を知っているからだ。
みみっちく小ずるいが、それが現・日本社会のルールなのだ。
(参考記事:2007年05月05日『パチキ』)

しかし、ただ後手に回っていては、本当にボコボコにされかねない。
そんな事件もざらにある。
Tさんのご指摘は、もちろん今では一応心得ているのだけれど、若い頃は、
「相手が喧嘩を売ってきている以上、そんなこと関係あるか!」
としか思っていなかった。
…いや、基本は今でもそうだ。。(^^;
もし抱きつかれるくらい近距離で対峙したら、掴まれたとき相手の方が力が強ければ咄嗟に振り解くのが困難だし、ナイフを使われたら逃れられない。
それを警戒して、一定以上近づくのを許さず押し返したからと言って、それが暴行になるだろうか?
Tさんは法律に詳しい方なので少し質問させていただいたのだが、そこはやはりグレーで、判断・対応が難しいとのことだった。
ただ僕自身は、これがもし暴行になるとしたら、それでも構わないと思っている。
顔見知りの者と口論から喧嘩に発展しそうになったとかなら別だが、相手が見ず知らずの他人なら、自分の身は自分で護るしかないからだ。

とは言え、最初に戻って、前記事のKとの喧嘩で言えば、相手をドンと押した時点で僕の暴行が成立する、というのは、Tさんのご指摘の通りだ。
これについては後の経験もあるので、また改めて書くつもりだったのだけど、ともかく、手を出すということについて、日本には結構厳しい(一部理不尽とも取れるが…)法律があるということは、踏まえておいてもらいたい。

にほんブログ村 格闘技ブログ 中国武術へ にほんブログ村 格闘技ブログ 武術・武道へ
posted by hide at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月30日

気づいたら4ヶ月放置…(^^;ゞ

…いやぁ。
ナント、気づいたら4ヶ月も放ったらかしにしてしまっていました。(^_^;)

この間はどうしていたのかというと、まず仕事が忙しくなっていました。
貧乏金無し(…は、当たり前か)暇無し。
去年から徐々に収入が減っていて、単価の安い仕事を押しつけられてあっぷあっぷ。

そんな大変な時期だというのに、ちょっとお絵描きにハマりました。(^^;ゞ

このブログでも何度か書いたように、昔、漫画を描いていたので、元々絵を描くのは好きです。
なのに、いつの間にか描くのをやめて、しばらく描いてなかったんですが、たまたま、よく観ていたTVアニメに触発されまして…。
しかも最近の高度なアニメ作品ではなく、子供向けアニメ(笑)
でもそれが一時とても感動的な展開になっていて、観ている内にふと絵心が湧いて、登場キャラを描いてみたくなりました。
すると自分の手が鈍っていることを思い知らされ、のめり込んでしまい、時間があれば描きまくっていました(笑)
また、デジ絵にも興味を持ち、PC上で着色することを覚え、それが楽しくて…(笑)

最初は、不具合を起こして使えなくなっていたスキャナを復活させるところから始めて、手描きの絵を読み込んでいましたが、主線だけ描いてスキャンしPCで着色する方法にもトライし、色々試行錯誤しました。
ただ、今のところマウス環境なのでかなり苦労していますが、近々環境を改善させようと思っています。
ペンタブレットを使い慣れたら、描く速さも向上するだろうし、水彩や油彩のようなタッチで描くこともできるようになると思います。

まーとにかく。

スキャナも復活して、PC上で絵も描けるようになったことだし、今後はこのブログでも、少しは絵を交えて説明しようと思っています。

何だかんだと、今までにも途中放置したりしながらも、約3年続けてきたし、まだまだ続けていくつもりです。

にほんブログ村 格闘技ブログ 中国武術へ にほんブログ村 格闘技ブログ 武術・武道へ
posted by hide at 19:15| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ・更新・他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月28日

20代前半の喧嘩 Part2

北新地には20代半ばまで居たのだが、その間にも一度、夜の世界を抜けたことがある。
たぶん、最初の店から叔父の店に移ったが、その店がすでに傾いていて、一応閉店までつき合い、そのせいでさらにお金に困ることになってしまった、その後だ。。
夜の水商売以外でそのとき自分がすぐにできそうな仕事と言えば、調理だった。
その調理も中途半端だし、一からやるには遅いと言われてしまう歳だったが、たまたま見つけた店で雇ってもらうことできた。

梅田のちょっとへんぴなところにある店で、ファミレスとカフェバーが合わさったような感じのレストランと、お好み焼き屋が隣り合っていて、その2店舗を経営していた。
奥にある厨房は両店に繋がっている作りだった。

ここでは、チーフコックを始め先輩コックたちに可愛がられて、働いている間には、後から入ってきた10代の男の子ら2人からも慕われた。
ちなみにその内の1人は、ハーフっぽい華奢なイケメンで、当時は気の弱い男の子で、一度先輩コックを怒らせて包丁で腕を切られたことがある。
そのとき居合わせていて、慌てて止めに入り、先輩コックをなだめた。
なだめたと言っても、怒鳴り合うようなかたちでとにかく包丁を置かせた。
傷害事件になるようなことだが、仕込みをしていて包丁を持っているときだったから、激高して包丁を持ったまま手振りしてしまったらしい。
切ろうと思って切りつけたわけではなかったし、男の子の腕は軽傷で、厳しい世界だから、店長やチーフの裁量でお互いが謝るかたちでうやむやになった。

そして、それから10年ほど経って、ミナミでばったりその男の子と会ったのだが、ナント、ホストになっていた。
5〜6人のホストを引き連れて先頭を歩いていて、僕に気づくと、
「hideさん、hideさん!」
と寄ってきた。
僕が相手のことを判らずにいたら、
「オレです、オレです! 〇〇です!」
と、親しげに繰り返し、働いていた店の名前を出した。
それで顔をよく見て「あーっ!」と思い出したのだが、僕が忘れていたのに、ちゃんと僕の顔も名前も憶えていて声をかけてくれて、嬉しかった。
だから、親身な先輩として慕ってくれていたと思うのは、間違いではあるまい。

まーそんな風に、僕としては、忙しくも働きやすく、居心地が良かった。
調理場のチーフや先輩コックたちも、僕には怒らなかった。

…ただ。
火種が一つあった。

こういう、従業員が比較的多い店では、料理人とホール担当との仲が悪いことがある。
コックたちは気の荒い人が多いし、忙しいときは不快丸出しの顔で黙々と仕事をこなしている。
そういうとき、お調子者のホールの態度が疳にさわる、というのが日常だ。
オーダーの通し方が悪いとコックに怒鳴られ、険悪なムードになる。
だから、ホールもコックたちに気を遣い、顔色を窺いながら、ややこしい注文があると、恐る恐る、出来るかどうかを尋ねたりする。
僕は両方経験があるのでホールの大変さも解っているのだが、お気楽なヤツらが店に来る女性客を従業員同士で品定めして笑い合ったりしていて、テキパキ仕事をしていないときがあると、さすがにそれはちょっと腹が立つ。
それでも僕は、オーダーを険のある態度で受けたりしないので、ホールの従業員たちとは一番うまくやっていただろう。

でもその中で、どうしても反りの合わないヤツが一人だけ居た。
名前は忘れたが、仮に“K”としよう。

まー、相性で好き嫌いがあるのは誰でもそうだろうが、仕事であれば、嫌いでも最低限の言葉のやりとりくらいは、きちんとするのが普通だ。
なのに、Kは何故か僕に敵意むきだし。
歳は確か、ホール主任が僕と同い年か1つ下で、その後輩だったので、僕から見て1つか2つ下だったと思う。
ぶっきらぼうで、いかにもヤンキーあがりのような顔つきで、身長が180cm以上あった。
その厳つさで周りからも一目おかれ、コックたちも露骨に怒るのは遠慮するところがあった。
店長と先輩であるホール主任、そして親しい数人以外は、誰彼構わず横柄だったが、僕に対しては特にひどい。
(何が気に入らないんだろう?)
…と思いながら、最初は、こちらから近づく努力もしたのだが、だんだんむかっ腹が立つようになってきた。
他のコックたちとも摩擦があったが、僕には特に態度が露骨で、例えば、まともに声を出さずに伝票だけを置いていくときがあり、
「おい、ちゃんとオーダー通せよ!」
と注意しても聞かず、そういうことを繰り返す。
ふと気づくと、遠くからこちらを睨みつけていたり、忙しいときオーダーを整理しようとしてホールの者に確認のために声をかけると、そんなときに限って割って入り、変に揉めるような方向に持っていこうとしたりする。
最終的にはついに怒りが頂点に達して、店の奥でKを怒鳴りつけてしまった。

Kは当然、喧嘩腰で言い返してきたので、
「やるならやったるわ! かかって来いアホウ!」
と、胸の当たりをドンと押した。
この頃より少し前から使うようになった、僕の手だった。
触れられる距離であっさり触れさせるようなヤツは、大抵ぶん殴れる。
それに、相手に先に手を出させる目的があった。
目論見通り反射的に手を上げて来て、そこを僕も反射的に捌いてガツンと喰らわした。
あとは畳み込むように立て続けに殴った。
Kも必死に手を出そうとしたが、僕には当たらなかった。
結果、圧勝。

仲が良かった先輩コックの一人が、小躍りして、
「hide、ようやった! お前すごいなー!」
と寄ってきた。
他のコックたちも、半信半疑だった僕の強さを目の当たりにした感じになったのと、みんなが嫌っていたKを締めたことで、僕を讃えた。

あとで思えば社会人としては問題だったが、閉鎖的で上下関係が厳しい世界。
店長はチーフコックに頭が上がらず、チーフがKに落ち度があることを説明して、店からは特にお咎めを受けなかった。
…が、小一時間ほど経って、ホール主任が僕のところにやって来た。

僕は今まで溜まりに溜まっていたものを出して、せいせいしていた。
正直、人を殴ってこんなにすがすがしい気になったのは久しぶりだと思っていた。
もしこのままクビになっても構わない。
主任は改めて簡単に事情を聞いたあとで、
「hideさん、顔ぜんぜん腫れてませんね? 先に手を出したんですか?」
「いや、あいつも殴りかかって来たよ。オレが打たれなかっただけや」
「じゃあ、一方的に殴ったんですか?」
「一方的に…ちゅうか、お互い必死にやり合って、気がついたら殴られたのがあいつだけやったってことやろ」
「………わかりました」
主任は一旦席を立って、またしばらくして、Kを連れて戻って来た。
「hideさん、Kが気分悪い言うてますから、病院に連れて行ったってくれませんか」
Kは、僕に殴られる前までの厚顔な感じはまるでなく、腫れ上がった顔で下を向いて完全に情けない負け犬状態。
それを見ると、やり過ぎたかな…という気にもなった。
「病院と言っても…」
「もう探してあります。十三(じゅうそう)の〇〇病院ってとこが診察してくれるそうですから、今から行ってきて下さい」
そばで聞いていたチーフも、僕の顔を見て頷いた。

そして2人だけで、電車に乗って、病院へ。
道中、何度か話しかけると、Kは無言のまま首を縦に振ったり横に振ったりして答えていた。
「大丈夫か?」
お人好しの僕は、このときは本気で心配になっていた。
行った先は個人病院で、当然ながら診断は打撲。
診断書と、湿布や痛み止めなどをもらって、店に戻った。

そして翌日。

またホール主任が、気のせいかちょっと喜色を浮かべた顔で、
「hideさんにちょっとお客が訪ねてきていますので、お願いします」
と呼びに来た。
「?」
出てみると、ガタイのいい厳つい2人組が待っていた。
差し出された名刺を見ると、韓国系の組織の肩書き。
あとで判ったが、店長やホール主任、そしてKなど、何人かが在日韓国人だった。

訪ねてきた2人は、最初に僕を見たときは、ちょっと驚いた顔をした。
「え? あんたが?」
僕が大男のKをボコボコにしたのが意外な様子だった。
その頃の僕は、身長175cmで体重は60kgくらいだ。
Kは僕より5cm以上高くて、肥満ではない程度に肉付きが良かったので、体重差は15kg以上はあっただろう。
話に入ると、最初はやんわりだが、僕が一方的に殴ったことを責めてきて、それに反論すると恫喝めいた口調も交えて、慰謝料を要求してきた。
僕は内心、
(こいつらも殴って店をやめてやろうか…?)
とも考えた。
しかし住所も知れているし、家からも出なければならなくなる。
ふと、ポーカーゲームの店に居た頃、在日韓国人と揉めて逃げたと噂になったチーフのことを思い出した。
(こんなことなら一発くらい殴られておくんだった…)
だが実際、わざと殴られるなんて、難しい。
せめて、自分も殴られたと言っておけば良かったのだが。。

2人は、僕が無傷で、一方的に殴ったことを責めてくるのだが、しかし、無抵抗な者を殴ったのではない。
そこは譲れない。
やられていたのは僕かも知れないのだ。
そして僕だったら、こんな要求はしない。
2人はイライラしながらも、話がまとまらなかったらメンツが立たないと臭わせるようなことを言い始めた。
つまり、金額は負けてやると言っているらしかった。
恫喝めいたことを言いつつも、僕と喧嘩になったら、それはそれで困るのだろう。
結局、10万円払うことになった。
Kに毎月5千円ずつ渡すことで折り合いがついた。
今なら、「それなら警察沙汰にしよう」という話にして、刑事罰として罰金払ってでも、Kには金を払わないだろう。
(実際、後にそういう経験もある…(^_^;))
だがこのときは、お人好しに自分の責任を感じてしまった面もあった。

そして、僕は店もやめることにした。
店長やホール主任がコリア系の力を駆使する手段を取ったことが判り、それが鬱陶しく思えたからだ。
僕自身は、在日韓国人に対して特別な差別意識は無い。
しかし大阪には在日韓国人が多い事情もあって、子供の頃からその組織力が取り沙汰されていて、例えば、在日が多く住む地域の者と喧嘩をすると集団で仕返しを喰らうという話が数多くあった。

まーともかく。
殴り合いには勝ったが、金を払わされることで、結果的には負けた格好になった。

Kには、金を払えるときに電話をして、どこかの駅で待ち合わせることになった。
僕の住まいの最寄り駅まで来てもらったこともあった。
ただ、Kは僕から金を受け取るとき、後ろめたそうな顔だった。
まぁ彼は彼で、僕のことをなめて、ツッパッて、怒らせたのに、喧嘩では負けて、組織に泣きついて金の問題にしたわけだ。
たかが10万円ぽっち。
男としては情けないことだろう。

とは言え…僕もド貧乏状態。。
3〜4回払った後、連絡をしないでいたら、向こうからも連絡が無く、そのままうやむやになった。

この一件が、喧嘩については子供時代との境界線になった。

にほんブログ村 格闘技ブログ 中国武術へ にほんブログ村 格闘技ブログ 武術・武道へ
posted by hide at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする